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富士フィルムのミラーレス一眼デジカメの使い方がわかるブログ

ISO感度は?WBは?工場地帯の夜景を撮影するための8つのポイント

四日市工業地帯の夜景
絞り:F10、シャッター:5秒、ISO:500

夜景の撮影は難しい!?

「夜景」の撮影と聞くと何となく難しそうな印象がありますが、実際にはそれほど難しくはありません。いくつかの重要ポイントさえ押さえれば誰にでもきれいな夜景を撮影することができます。

夜景撮影のポイント

① カメラを固定する

カメラのISO感度の設定にもよりますが、普通の夜景撮影の場合はシャッター速度が1~30秒という超スローシャッターになります。

手振れ補正機能を利用すれば、1~2秒のシャッター速度でも何とか手持ちで撮影できますが、3秒以上になるとやはり手持ちでは無理になってくるので、三脚にカメラを固定する必要があります。

三脚がない場合は、周囲にある適当な物の上に置いて撮影することがも可能ですが、場所が限られてしまい思い通りの構図が作れないので、やはり小型のものでも良いのでしっかりとした三脚を使用した方が良いでしょう。

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ISO感度はできるだけ低く

夜景は空が暗い時間に撮影するのでISO感度を上げたくなりますが、ISO感度は高くなるほどノイズが増えて画像がザラザラと荒れてしまうので、できるだけ低くして固定します。

理想のISO感度は、使用するデジタルカメラで最もノイズの少ないISO感度(多くのデジタルカメラISO感度100~200)です。ただし、ISO感度を高めにしてもノイズが目立たないデジタルカメラもあるので、その場合は400以上に設定しても良いでしょう。

ISO感度をオートにしてある場合は、オートを解除してから撮影します。

四日市工業地帯の夜景
絞り:F9、シャッター:2.3秒、ISO:500

③ ピントはマニュアルがベスト

夜景の中に外灯などの強く光るものがあればAF(オートフォーカス)でもピントは合いますが、外灯もない薄暗い夜景はピントが合わないことが多いので、そういう時はファインダーをのぞきながらマニュアル操作で合わせます。

④ 絞り優先モード&マイナス露出補正で撮影する

撮影モードにはいろいろありますが、夜景の撮影には撮影者が絞り値を決定してシャッター速度をカメラに任せる「絞り優先モード」がおすすめです。

夜景撮影に最適な絞り値はレンズによって多少異なりますが、レンズの多くは「F8」に絞ると最も画質(解像力)が高くなるのでF8を基準にして、その前後1段の範囲内(F5.6~11)で撮影すると良いでしょう。

また、露出補正をしないでそのままで撮影するとかなり明るめになるので、必要に応じて1~3段のマイナスの露出補正をする必要があります。


絞り:F10、シャッター:6.5秒、ISO:500

⑤ ホワイトバランス

ホワイトバランスは撮影者の感覚や好みで違ってくるので、これだというおすすめはありませんが、夜景の色をそのまま再現するなら、ホワイトバランスの基準となる「太陽光(色温度5500K前後)」に設定して撮影すると良いでしょう。

「オート」に設定すると、カメラが夜景の色に合わせてホワイトバランスを調整するので、偏りのない自然な色に仕上がります。

四日市工業地帯の夜景
絞り:F5.6、シャッター:1.6秒、ISO:500

⑥ セルフタイマーで撮影する

夜景撮影はスローシャッターになるのでカメラのブレは禁物です。たとえカメラを三脚に固定してあっても、シャッターボタンを指で押した時にカメラが動いてしまう可能性があるので、必ず「セルフタイマー」を使用して撮影します。

さらに、カメラ内部にミラーがある一眼レフカメラの場合は、ミラーが動いたショックでカメラが動くことがあるので、シャッターを切る前にミラーを上げるミラーアップ撮影」を行います。

⑦ ノイズリダクションはほどほどに

ノイズリダクションは、高いISO感度で撮影したザラザラの画像をツルツルの滑らかにしてくれる画像処理ですが、あまり強くかけると画像の細部が潰れてベタ塗りの「ぬり絵」のようになってしまうので注意してください。

あらかじめ低いISO感度で撮影しておくと、ノイズリダクションも不要か弱くて済むので、画質にこだわるなら低いISO感度で撮影してください。

<ノイズリダクションサンプル>

ノイズリダクション:なし
ノイズリダクションなし

ノイズリダクション:弱
ノイズリダクション弱

ノイズリダクション:強
ノイズリダクション強

⑧ 画像をRAW形式で記録する

最後のポイントは、撮影した画像をできるだけ「RAW」と呼ばれる無圧縮のデータ形式で記録しておくことです。

このRAW形式で記録しておけば、後からPCで自由に撮影条件を変更できるので、撮影のミスをリカバリーできるだけでなく、何度でも画像ファイル(JPEGTIFFなど)で出力し直すことができるのでとても便利です。

わかりやすく例えると、RAW形式のデータは一度作成されたら変更することができない、銀塩写真「フィルム」のようなものです。

備考・その他

撮影地:三重県四日市
カメラ:FUJIFILM X-T1
レンズ:XF18-55mmF2.8-4R LM OIS
機材:三脚(マンフロット製)

END