ボケボケはNG!ミニカー写真は被写界深度が重要
ミニカー写真は被写界深度が重要
ミニカーのような小さなものを撮る場合に重要なのは「被写界深度」です。
「被写界深度」とはピントが合っているように見える範囲のことで、絞り値が大きいほど広く(深く)なり、逆に絞り値が小さいほど狭く(浅く)なりますが、レンズの焦点距離やカメラと被写体の距離によっても被写界深度は変化します。
被写界深度 | |
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絞り値 | 小さいほど狭く、大きいほど広くなる |
焦点距離 | 広角になるほど広く、望遠になるほど狭くなる |
被写体との距離 | 被写体に近付くほど狭く、離れるほど広くなる |
F16 で撮影
ミニカー写真の被写界深度
ミニカーを撮影する場合、被写界深度が広い方が実車的になるということを、ぜひ覚えておいてください。
なぜ、被写界深度が広い方が実車的になるのかというと、一部だけにピントが合っている画像よりも全体にピントが合っている画像の方が肉眼で見た時に近く、脳が勝手に実車に近いと判断するからです。
ミニカー撮影サンプル
次のミニカー写真は、フジノンレンズ XF60mmF2.4 R Macro の開放絞りの F2.4 で撮影したものですが、ピントが合って見えるのは前輪周辺だけで、その他はぼんやりとボケています。いかにもミニカーという感じがしますね。
次の写真は、絞り値を F5.6 にしたものです。ピントが合っているように見える範囲が少し広くなりましたが、まだまだボケている部分が多いです。
次は、絞り値を F8.0 にして撮影したものです。さらに被写界深度が広くなりミニカーの奥のボケ方が弱くなりました。ここまでボケが弱くなれば合格点ですが、まだ実車的ではありません。
次は F11 です。さらにボケが弱くなりました。
次は F16 まで絞ります。さらにボケが弱くなりミニカー全体にピントが合っているように見えるようになりました。ここまでくると実車的に見えてきます。
最後に XF60mmF2.4 R Macro の最大絞り値 F22 です。F16 よりもさらにミニカー全体にピントが合っているように見えます。さらに、ミニカー奥の背景にもピントが合っているように見えます。より実車的に感じますね。
絞り過ぎるのはNG!?
XF60mmF2.4 R Macro のようなマクロレンズは、大きく絞り込んでもあまり画質が劣化しないように設計されていますが、レンズによっては大きく(F16~22 以上)絞り込むと「回析現象(小絞りボケ)」が発生して、画像全体がピンボケしたように甘くなる場合があるので、絞り過ぎには注意が必要です。
備考・その他
今回は、実車的に撮影するためにできるだけ絞り込んで撮影しましたが、ミニチュアらしさを強調する場合は、逆にあまり大きく絞り込まない方が良いでしょう。
- 実車的に撮影する場合 ⇒ できるだけ絞り込む
- ミニチュアらしく撮影する場合 ⇒ あまり絞りり過ぎない
END