【撮影テクニック】X-T1 はハイライトの白飛びに注意しよう
ハイライトの白飛びに注意しよう
富士フィルムの「X-T1」は誰でも簡単にキレイな写真を撮影することができる優秀なミラレース一眼カメラですが、やはりハイライトの白飛びやシャドーの黒つぶれは起こります。
とくにハイライト(明るい部分)には粘りがなく、ある一定レベルを超えると一気に「真っ白」になってしまうという特徴があるので注意が必要です。
明暗の差が大きいとハイライトが白飛びしてしまう(※白飛びしたのは舗装道路)
シャドーにはめっぽう強い
しかし、ハイライトの逆となるシャドー(暗部)についてはとても粘りがあるので、モニター上ではほぼ黒に近い状態になっていたとしても、付属の画像編集ソフト「RAW FILE CONVERTER EX3.0 powered by SILKYPIX」の「HDR」や「調子」の調整でシャドーを明るくすることが可能です。
「HDR」を適用すると暗部を明るくすることができるため写真が自然な感じに仕上がる
明暗の差が大きい被写体の撮影方法
X-T1にはハイライトが白飛びしやすい(一気に白飛びする)という特徴があるので、常に「ハイライトを重視した撮影」を行います。
まず、下のサンプル写真①を見てください。
サンプル写真①
この写真は栃木県の益子町にある「濱田庄司記念 益子参考館」で撮影した陶芸の窯ですが、手前の白っぽい煙突状のものにだけ光が差しているため明暗の差が大きくなり、白飛びや黒つぶれを起こしやすくなるので注意しなければなりません。
こうした明暗の差が大きいシーンを撮影する場合は、ハイライトとなる白っぽい煙突状のものにしっかりと露出を合わせて撮影を行います。
ハイライトに露出を合わせるのでどうしてもシャドー部分が黒っぽくなってしまいますが、シャドー部分は後から付属の画像編集ソフト「RAW FILE CONVERTER EX3.0 powered by SILKYPIX」で起こす(明るくする)ことができるので、撮影現場ではとにかくハイライトが白飛びしないようにすることだけに集中して撮影しましょう。
画像編集でシャドー部を明るくする
シャドー部を明るくする場合は、付属の画像編集ソフト「RAW FILE CONVERTER EX3.0 powered by SILKYPIX」の「HDR」または「調子」を調整しますが、『パラメータ・コントロール調整』を「スーパーニュートラル」か「ファインストリート」にすることでもシャドー部を明るくすることができます。
下のサンプル写真②は、サンプル写真①の写真に「HDR」を「50」ほど適用したもので、真っ黒に近かったシャドー部が明るくなり窯の存在がよく分かるようになりましたが、「HDR」でシャドー部を明るくするとどうしても色が浅くなので、最後に『カラー調整』の「彩度」を少し上げて違和感を少なくしてあげる必要があります。
サンプル写真② シャドー部が明るくなったが色あせしている
色あせたようなサンプル写真②に『カラー調整』の「彩度」を +1.5 ほどにすれば画像の編集は完了です。これで半分以上黒くつぶれていた失敗写真が使える写真に生まれ変わりました。
サンプル写真③ HDR(+25)、カラー(+1.5)で画像調整
まとめ・その他
・X-T1はハイライトが白飛びしやすいがシャドー部の粘りは一級品
・シャドー部を明るくするには「HDR」か「調子」を調整する
・明るくした部分は色あせたようになるので「彩度」をプラス調整する
END