写真の撮り方 ~ 黒いものを黒く撮る方法 ~
黒いものが黒く撮れない理由
みなさんは、薄暗い場所で黒っぽいものを撮影したり、全体的に黒いものをアップで撮影したときに、黒ではなくグレーっぽくなってしまったことはありませんか?
これは、デジタルカメラが画面全体が黒っぽくなったときに「さては、ここは暗い場所だな…」と誤判断して明るく撮ろうとするために起こる「露出オーバー」という現象で、どんなカメラ(高級一眼デジカメでもスマートフォンでも)でも必ず発生するものです。
※記事中の画像は「フジノン XF60mmF2.4 R Macro」で撮影したものです。
露出オーバーの画像
こちらがカメラ任せで撮影した「露出オーバー」の画像。はっきり撮れているので一見問題なさそうに見えますが、黒いはずのマウスと撮影台が完全にグレーになっているのが大きな問題です。
露出オーバーを防ぐには?
もっとも一般的な方法は、カメラの露出補正機能を使って明るくなってしまうのを強制的に防ぐ方法です。補正量は状況によって違いますが、マイナス1.0~3.0の間で補正することが多いです。
※X-T20 は右手側の一番外側に露出補正ダイヤルがあるので、これをマイナス側に回転させて補正します。補正は0.3(1/3)単位で行います。
露出を -2.0 補正した画像です。若干暗めかもしれませんが、これで見た目にかなり近い黒になりました。
露出補正機能を使わない方法
露出補正機能がないカメラや、露出補正機能を使いたくない場合は露出を一時的に固定する「AEロック機能」と、人間の肌色に近い明るさの紙(グレー色の紙や段ボール紙など)を使って適正露出を測ります。
撮影用品には、露出を測るための「18%グレーカード」というものがあるので、それを使用するとより正確な露出を出すことができます。↓
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今回はダンボール紙を利用
自宅に明るめのダンボール紙があったので今回はこれを利用します。まず、できるだけ画面いっぱいにダンボール紙を近づけます。
次にカメラの「AEロック」ボタンを1回だけ押して一時的に露出を固定して、あとは普通に撮影します。撮影が終わったらもう一度「AEロック」ボタンを押して露出の固定を解除します。
しっかりと黒になりました。このように、露出補正機能を使わなくてもダンボール紙さえあれば黒いものを黒く撮ることができます。
サンプル画像
主役(この場合はセメダイン)が黒以外でも、背景が黒い場合は露出を補正しないと画像が全体的に明るくなってしまいます。
この場合も、露出補正機能かダンボール紙で適正な露出を出して撮影する必要があります。
備考・その他
露出補正機能を使う場合は、補正し過ぎによる「黒つぶれ」に注意してください。
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