【撮影の基本】晴れた日の撮影が難しい理由とは?
良く晴れた日の写真撮影は難易度が高い
意外に感じるかもしれませんが、実は、ピーカンと呼ばれるような「良く晴れた日」の写真撮影は曇りの日よりも難易度が高くなります。
なぜかというと、よく晴れた日というのは太陽光が直接あたる明るい部分と、日陰になっている暗い部分のコントラスト(いわゆる明暗の差)が大きいため、「白飛び」や「黒つぶれ」という問題が発生して、撮影に失敗する可能性が高くなるからです。
「白飛び」と「黒つぶれ」とは?
「白飛び」は画像の明るい部分が、イメージセンサーで再現できる明るさのレベルを超えてベタ塗りの白一色になってしまう現象で、「黒つぶれ」は、逆に画像の暗い部分がベタ塗りの黒一色になってしまう現象です。
<白飛びした画像>
この渓流の写真はパッと見ると明るくきれいに見えますが、直射日光があたっている水の流れが真っ白に飛んでいます。微妙な白飛びは許されますが、ここまで大きいと明らかに失敗です。
X-T1+XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
富士フィルム「X シリーズ」に付属している画質調整ソフト「RAW FILE CONVERTER EX 3.0 powered by SILKYPIX」でディティールの復元を試みましたが、完全には復元できません。撮影時にあと1段ほど露出を下げていれば、流水のディティールはしっかりと復元できたでしょう。
X-T1+XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
<黒つぶれした画像>
今度は、岩場の植物にスポットライトのような木洩れ日が当たってる写真ですが、植物の白飛びを抑えようと明るい部分に露出を合わせたため、岩場の部分が真っ黒に潰れています。
X-T1+XF35mmF1.4 R
「RAW FILE CONVERTER EX 3.0 powered by SILKYPIX」で調整した結果、かなりのディティールが復元できましたが、少し物足りない感じです。撮影時にもう1/2~1段ほど露出を増やしていればもっと復元出来たでしょう。
X-T1+XF35mmF1.4 R
「白飛び」「黒つぶれ」の対策
快晴の日の撮影で「白飛び」「黒つぶれ」を防ぐ対策は以下です。
- ① 照明機材を使用する
- ② レフ板を使用する
~ ① 照明機材を使用する ~
撮影対象が遠めだったり範囲が大きい場合は、ストロボやフラッシュ、LEDライトなどの照明機材を使用して暗い部分を明るくします。ただし、光が強すぎると不自然な写真になってしまうので使い方には注意が必要です。
※観光地の集合写真カメラマンが、快晴の日にもストロボやフラッシュを使うのは、人物にできる強い影の部分を明るくするためです。
X-T1+XF60mmF2.4 R Macro
~ ② レフ板を使用する ~
撮影対象が小さかったり近くにある場合は「レフ板」と呼ばれる光を反射する撮影用品で暗い部分を明るくしますが、ない場合は「発泡スチロールの板」や「白色の画用紙」、「白いアクリル板」などで代用しても良いでしょう。
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~ ストロボ・フラッシュ、レフ板がない場合 ~
あえて真っ白に飛ばす写真の場合は別ですが、写真的に考えると「白飛び」の方が問題になる場合が多いので、多少暗い部分が増えても「白飛び」を極力抑えることを優先して撮影した方が良いでしょう。
ただし、どの写真も完全に「白飛び」を抑えようとすると、逆に「黒つぶれ」が増えてしまう場合があるので、バランスに注意してください。
※写真がどのくらい白飛びしているのかは、ヒストグラムで確認することができます。
<良い例>
ヒストグラム右端の山がほとんどない ⇒ 白飛びは僅か
<悪い例>
ヒストグラム右端に大きな山がある ⇒ 大量の白飛びがある
備考・その他
「良く晴れた日」でも、遠くに見える風景をトップライト(太陽の位置が高い時間)や順光で撮影するのであれば「白飛び」や「黒つぶれ」を気にする必要はありません。これは、順光や遠くの風景は影があってもそれが小さく目立たないからです。
X-T1+XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
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